版画コースの専攻実習Ⅲでは、
銅を版材とする銅版画を制作中です。
版画と一言で言っても、他にもリトグラフや
シルクスクリーンといった様々な技法がありますが、
平面的な仕上がりのシルクスクリーンらに比べて
最も重厚な仕上がりになるのが、この銅版です。
特に黒を使った作品はすごく雰囲気がありますよ。
銅版は1枚1枚プレス機にかけてプレスしますが、
銅版に厚みがあるため、プレス後の紙には
プレートマークというボコっとした型がつくのも特徴。
また、600年以上も前にヨーロッパで発祥してから
現在に至るまで、その変わりとなる技法は生まれておらず、
私たちは日常のあちこちで銅版の作品を目にしています!
例えば、お札。
これはまさしく数人の職人さんによる銅版の最高傑作です。
お札は版にしたものを写真に起こして印刷したものだそう。
ルーペでみてみてもすごく細かい模様が描かれており、
1mm幅に10本の線を引くような職人さんの手仕事です。
また、5000円札が樋口一葉に変わったときは
樋口一葉のツルッとした肌を再現するのが難しく、
仕上がるのが半年遅れたという話も。
他にも銅版は切手や証券などにも銅版が使われています。
版画コースでは、エプロンを着用している学生さんが
多いのですが、その汚れ具合に差があります。
使い込んでいるエプロンは代々先輩方から受け継がれている代物で
エプロンの上からビキニが描かれていたり、
トラともネコともネコ型ロボットとも言えない
微妙な絵が描かれていたりします。
年々、絵が足されていっているらしく、
こちらも版画コースの歴代学生さんの作品ですね(笑)