作品とふたりぼっち。

文藝春秋出版の文藝雑誌『文學界』公募新人賞に

大阪芸術大学短期大学部通信教育部広報学科に

在籍中の奥田真理子さん「ディヴィジョン」が選ばれました!!

文學界新人賞は1955年から始まり、石原慎太郎氏を

輩出した歴史ある純文学の登竜門です。


文学界 2009年 12月号 [雑誌]
文学界 2009年 12月号 [雑誌]

文藝春秋 2009-11-07

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奥田さんに受賞した喜びを伺うと、

「文學界新人賞は懐が深い賞というイメージがあって、
 自身の作品を受け入れてくれるのは文學界新人賞だと
 インスピレーションみたいなものを感じました。
 それでいきなり候補にまで残ったので、
 たまにはインスピレーションも役に立つものだなと(笑)
 今までで3度挑戦して、2度最終候補に残り、
 3度目で受賞しましたが、今回受賞しなくても
 4度目、5度目と挑戦していたと思います。
 ただ、受賞するためだけにというよりは、
 書こうとするものがあるうちは何があっても書くものだし、
 書いたら読んでもらいたいと思うのは自然なことですから。
 2度も落とされたんだからもう駄目、というよりは、
 2度も高いところまで上げてくれたんだから、
 という感覚の方が強かったですね。
 とはいえ、そうそう獲れるものでもないだろうし、ゆっくりしてもいられない。
 独りきりでやることなので、不安ももちろんありましたが。
 実直に書き続けてさえいれば大丈夫かなという自信は、
 どこかで絶えずありました。」

と、話す奥田さんの目には自信がみなぎっていましたよ。

小説を書き始めたのは33歳からという奥田さんは、

「書くことは元々好きで、母から聞いた話によると
 3つの頃から物語めいたものは書いていたそうです。
 だから小説もいつかは書くだろうな、と思っていました。
 その思いがコップに溜まるように溢れ出したのがたまたま33歳なんです。
 どんなことであっても早いうちがいい、というのも、
 もちろん一側面としてあるかとは思うのですが。
 小説を本格的に書き始める時期だけは、
 不思議と急ごうとは思いませんでしたね。」

文學界 新人賞

純文学というジャンルについて伺うと、

「純文学は固いと思われがちだけど、実はすごく自由なんですよ。
『自由』というのはとても意味の深い罪作りな言葉で、
 迂闊に使えるものではないのですが。
『自由度が高い』というのは、
『闘える余地がまだまだたくさんある』
 ということだと思っているんです。
『自由』って、わりと不自由だし、わりと過酷なものでもありますよね。
 これは純文学や小説というジャンルに限らず、
 全ての創作について、ある種言えることかとも思いますが。
 だからこそ面白いものなのだとも思います。
 書いている時は、本は読まないし、
 普段好きで聴き倒している音楽なんかも聴きません。
 作品とふたりぼっちなんです。」

と、奥田さんの真剣な眼差し。

「新人賞はプロで書かせてもらえる許可書みたいなものですから。
 これからはもっと高い位置での勝負。
 作家として長く…というよりも、書いていくうちに
 伝えきれた、書ききれたという作品が1つでもできれば幸せですね。」

と、プロへの意気込みを語っていただきました。

文學界新人賞 奥田真理子さん

最後に、通信教育部で広報学科を選んだきっかけを伺うと、

「自分が作家になったら関わるお仕事ですからね。
 また、広報は人が求めるものを伝え、
 文学は新しい価値観を伝えるものだと思っています。
 広報での伝え方を学ぶことで、小説の役割が見えてくる部分もあります。
 どっちにしろ、創ったり伝えたりするのは面白いですよ。」

インタビュ−をして受けた奥田さんの印象は

とても真っすぐな人、ということ。

本屋さんで著者別仕切り版に“奥田真理子”の

文字を見る日を楽しみに待ちたいです◆◇◆

 

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