特別講義「漫画家的発想トレーニング」

 

11月18日(火)午後1時10分から4時20分まで

本部棟4階C402教室で、大阪芸術大学キャラクター造形学科

学科長・里中満智子先生の特別講義

「漫画家的発想トレーニング」が行われました。

 

 

里中先生は、高校在学中の16歳で第1回講談社新人漫画賞1位入賞し、

これまで500作品以上のマンガを描き続けてきています。

主に取り上げてきたテーマは“愛”であり、

激しい愛の在り方や愛によって生まれる憎しみや苦しみを

巧みなストーリー構成で描いてこられました。

 

今回の特別講義では面白いストーリーを描く訓練として、

F・R・ストックトンのリドル・ストーリーである

『女か虎か?』のお話をされ、その続きを考えてみるという

課題を出されました。

 

 

リドル・ストーリーとは物語の形式の一つで、

物語中の謎に明確な答えを示さずに

謎かけのまま終わることを主題としています。

 

『女か虎か?』は1882年に書かれた短編です。

ある国の王女が身分の低い若者と恋に落ちたことを

国王が怒り、若者は競技場に連れて行かれる。

 

国王は若者に「二つの扉のうち一つを選べ」と告げる。

一つには飢えた虎、もう一つには美女。

美女の扉を選べば罪は許され、その美女と結婚できるが、虎の扉を選べば一巻の終わり。

王女は若者のためにどちらが虎でどちらが美女かを探り出すが、

王女は若者の死も美女との結婚も耐えられない。

王女は悩んだ末に若者に虎のいる扉を指さして教えるが、

その扉の奥には本当に虎がいるのだろうか……

というところで物語は終わる。

 

 

学生たちは制限時間30分の間にこの続きを

ネーム1~2ページ描くか、もしくは文章と競技場の絵を描いて提出。

提出された課題は、里中先生自身がプロジェクターで前に映し出し

全員分を講評してくださいました。

 

 

講評のあとは質疑応答があり、学生たちの質問にも

丁寧に答えてくださいました。

漫画家的発想とストーリーの構成の基礎を学んだ学生たちの

さらなる飛躍が期待されます。

 

(デザイン美術学科キャラクター・マンガ・フィギュアコース林日出夫先生)